「ごめんなさい……そんな簡単に約束なんてできません……」
「そうですか。なら仕方ありませんねぇ」
「それより、おじさんはちょっと怪しいですよ!」
「はて?」
前にお母さんが見ていたテレビで聞いた事がありました。
詐欺のやり方に、そういうのがあるって。
「タカシを他の子が持っていたなんて嘘で、本当はおじさんが持ってるんじゃないの?
それを教えるのと交換で、僕や僕の家族が困るような約束をしたいんだ!」
「あらあら……おかわいそうに。
あの機械を無くした悲しみで、疑心暗鬼になっているのですね。
では私がこの状況から救ってあげるといたしますか……」
「え?」
男の人が僕の頭に手を置くと、急に眠くなり、気付くと自分の部屋のベッドの上でした。
部屋の外からは、お母さんの声がします。
「友也~、転校する準備はちゃんと出来た?」
-BAD END-