「今日ね、学校でテストが返ってきたんだ」
『オ! 0点カ?』
「何でさ! ふふ……97点だよ!」
『スゲ~!』
僕は顔を赤くしながら頭をかきました。
『トモヤ』
「何?」
『学校ハ楽シイ?』
「えっ……」
『ホラ、俺コンナダカラ行ケナクテヨー』
「……」
『ドウナンダヨ』
「楽しいよ」
僕はタカシに嘘をつきました。
自分でも何でこんな事を言ったのかわかりませんでした。
でも、相手は何だか満足そうでした。
……その後も僕らは、まるで本当の友達のように話しました。
そんなある日、学校で体育の授業が終わって教室に帰ってくると、タカシが無くなっていました。
電池は抜いてるけど、あの日からは一緒に登校していたのです。
いろんな場所を探しましたが、どうしても見つからなかったです。
ショックで落ち込みながら家に帰っていると、あの時の男の人がまた現れました。
「やぁ井内君……。あの機械、使ってくれていますか?」
男の人にそう聞かれて、僕の目からぽろぽろと涙がこぼれ落ちました。
「今日……無くなっちゃったんです……」
「……そういえば、あれと同じ機械を持っている子を見ました。
あれは、あの子にはあげていないはずなのですが……」
「え?」
もしかして、タカシはその子に……。
「誰なんですか? 教えて!」
僕が男の人に一歩近づいてそう言うと、相手は微笑みながら言いました。
「構いませんが……一つだけ私と約束をしてくださいませんか?」
約束……?
「あなたがどれだけ彼の事を想っているか、それを知りたいのです。どうしますか?」
⇒約束する
⇒約束しない