絶対の約束S

「あ……えと……」

僕がなんと言おうか困っていると、また機械が喋りました。

『オイオイ、コッチガ挨拶シテルジャンカヨー。コ!』

「こ……」

『ン!』

「ん」

『ニ!』

「こ、こんにちは……」

『最後マデ言ワセロヨォ!』

僕は思わずくすくすと笑ってしまいました。
それで、ハッと気付いて急いで言葉を足しました。

「ご、ごめんなさい!」

『何デ謝ッタンダ?』

「だって……」

だって、学校では、人の事を笑うと、怒られるから。
馬鹿にしてるだろって言われて肩を殴られるから。
それを機械に向かって説明すると、笑われました。

『今ノ俺ガドウヤッテ、オ前ヲ殴ルンダヨ!』

……確かにそうでした。

『アト、俺ハソンナショウモナイ事デ怒ッタリシナイカラ安心シロヨ』

「う、うん……」

『ソレヨリオ前ガ話ス相手ダロ! 名前ハ?』

話す……相手……?

「い、井内 友也だけど……話す相手って?」

『トモヤ? 俺ハ「タカシ」ダヨ、ヨロシク。
ツーカ、アノオッサンカラ何モ聞イテナイノカヨ』

「おっさんってあの気持ち悪い格好の?」

『ソウソウ!』

僕も機械も笑いました。

『……俺トトモヤハ話ス相手。コレカラハズット友達ダゼ!』

友達……。

僕の友達……。

「う、うん……」

僕はそのよく出来た機械と『友達』になりました。
タカシとの話はとても楽しかったです。
相手が機械とわかっていれば恐くありません。

今日も、色んな話をしました。

学校の話
テレビの話


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