「し、知らない人から物をもらっちゃ駄目だって言われているので!」
僕は勇気を出してそう言い、いちもくさんに逃げました。
「おやおや、しっかりした子ですねぇ……」
その三日後、学校から帰ると、お母さんに呼ばれました。
「友也、こっちおいで」
「なに? お母さん」
「あなた宛てにビソクって人から小包が届いてるわ」
ビソク?
「変なアンケートにでも答えたんじゃないの?
あんまり危ない事するんじゃないわよー」
お母さんは僕の手の平に小さな紙の箱を持たせると、キッチンへと歩いて行きました。
ビソクってなんだろう。
そう思って箱の裏を見ると、『尾足 拳より』とだけ書かれていました。
おたす……あの時の!
僕はその箱をどうしようか迷いましたが、最後には開けていました。
何かあっても、近くにはお母さんがいるし……。
小包の中には機械のようなものが入っていました。
スマートフォンみたいだけど画面は無くて、スピーカーのような点々。
その下には指の先くらいのボタン。
頭には小さな細長い棒……そうだ、アンテナだ。
点々があるほうとは逆の面には、乾電池を入れるとこ。
中身は……空っぽ。
僕はお母さんから単三電池三本を貰い、機械に入れました。
何に使うのと聞かれましたが、「リモコン!」とだけ返事しました。
『コンニチハ!』
すると、機械が声を出したのです。
⇒窓から捨てる
⇒返事する